Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
中道 勝; 河村 弘; 寺谷 武馬*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.939 - 942, 2002/05
核融合炉ブランケットの構造材からのトリチウム透過量低減のため、細径配管の内外面に適用可能なセラミックス皮膜の施工技術開発をこれまで続けてきた結果、酸化クロムを主成分としたセラミックス(CrO-SiO)の皮膜を緻密に形成させる「化学緻密化法」の開発に成功した。しかしながら、CrO-SiO皮膜内には開気孔が生じる可能性がある。そのため、リン酸クロムをガラス化材として添加することによりトリチウム透過量がより少ない皮膜(CrO-SiO-CrPO皮膜)を開発した。本CrO-SiO-CrPO皮膜は、耐熱性に優れており、重水素を用いた透過試験における600での透過率は皮膜がない場合の約1/1000となり、十分な透過低減性能を有していることが明らかになった。
平林 孝圀; 亀尾 裕; 中塩 信行
Proceedings of International Symposium on Technologies for the Management of Radioactive Waste from Nuclear Power Plants and Back End Nuclear Fuel Cycle Activities (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
原子力施設の廃止措置により発生する大量の低レベル放射性廃棄物の減量と減容の観点から、施設解体前あるいは解体後に適用できる二次廃棄物の発生量が少ない高性能な4種の除染技術、並びに、廃棄物の減容技術、特に高い減容率と安定・均一化が達成できる溶融技術の開発成果について述べる。除染処理技術開発については、配管内に高速で旋回流動する空気流に研磨材をのせて管内壁の汚染物を研削除去する空気流動研磨除染技術、解体前の配管内を原位置で電解研磨法により除染する原位置電解除染技術、汚染金属表面の汚染物をガラス化したのちドライアイス粒を高速で吹きつけ急冷して熱衝撃を与え剥離除去する溶融ガラス化・熱衝撃除染技術、並びに、赤外・紫外レーザー照射下において誘起される化学反応を利用して汚染除去するレーザー化学除染技術について、開発成果を述べる。減容処理技術開発については、JPDRの解体金属廃棄物を用いた金属溶融試験、並びに、模擬雑固体廃棄物とRIトレーサーを用いた雑固体溶融試験の成果について述べる。さらに、低レベル放射性廃棄物の新たな放射性廃棄物管理システムとして、現在原研で構築を進めている高減容処理計画について紹介する。
鎌田 博文*; 三森 武男; 立岩 正明*; 杉本 賢司*
レーザー研究, 24(2), p.30 - 38, 1996/02
日本原子力研究所・東海研究所の再処理特別研究棟の建屋を解体するためには、放射性物質によって汚染されたコンクリート表層を安全に効率良くはく離する必要がある。しかし、従来の機械的研磨や研削工法等による除去作業では、汚染されたコンクリートの粉塵が飛散する、等いくつかの課題がある。そこで、本研究では、COレーザーを用いて、コンクリート表面にレーザー照射することにより、1)表層を高熱で溶融させて層状にガラス化し、二次的に汚染物質を含有したガラス層を除去すること、あるいは、2)コンクリートの含有水分を瞬時に高温膨張させ爆裂破砕させること、により再処理特別研究棟の汚染されたコンクリート表層を安全、かつ合理的にはく離できる研究を行った。
武野 宏之*; 小泉 智; 長谷川 博一*; 橋本 竹治*
Macromolecules, 29(7), p.2440 - 2448, 1996/00
被引用回数:30 パーセンタイル:74.61(Polymer Science)高分子混合系の一相状態における熱的濃度揺らぎのふるまいは、乱雑位相近似を用いたdeGennesの散乱関数で良好に記述できることがこれまでの研究で明らかとなっている。しかしこれらの結果は主に高分子のガラス化が問題とならない高温領域でなされている。本研究ではガラス化が問題となる温度領域で熱的濃度揺らぎがどのような影響を受けるかを明らかにすることを目的として中性子小角散乱測定を行った。時にガラス転移温度Tqに大きな差のある混合系では系がガラス化するのに伴い小角散乱強度がdeGennesの式より過剰に減少することが観察され見かけ上熱的揺らぎが過剰に抑制されていることが明らかとなった。またここから評価されるFlory-Hugginsの相互作用パラメータXに波数依存性が生じることが明らかとなった。
菊池 輝男; 岩本 多實*
JAERI-M 92-146, 14 Pages, 1992/10
高レベル模擬廃液35wt%(酸化物換算)に対し、正燐酸を65wt%(酸化物換算)添加し、蒸発、仮焼に続いて、1100Cに2時間加熱して燐酸廃棄物ガラスを調製した。廃棄物ガラスは室温まで放冷したあと、めのう乳鉢で粉砕し、45~65メッシュのものを銀網の篭に入れ、1966年3月から1983年3月までの17年間、室温の蒸留水、水道水および海水に浸出させた。17年後、燐酸廃棄物ガラスを浸出液から取出し、浸出液については燐及びセシウムの分析をおこなって、これら3浸出液に対する浸出量を求めた。燐及びセシウムのこれら3浸出液に対する17年間の平均浸出速度は、10g/cmdayのオーダーであった。
吉井 文男; 嘉悦 勲
Zeitschrift fr Naturforschung, C, 37, p.1234 - 1239, 1982/00
化学的細胞融合法における新しい細胞融合剤と融合時の細胞の失活を防止するための保護剤の探索を行なった。ポリエチレングリコール(PEG)は融合剤としてよく知られているが、2分以内に融合を完了しないとほとんどの細胞が失活してしまうのと、その時間内でもかなりの失活がおこる。水溶性高分子の共存下で融合を行なうと、水溶性高分子によって失活が著しく抑制されて、融合時間が延長できたのと融合細胞の割合が水溶性高分子のない場合よりも20%ほど増加した。水溶性高分子としては,ポリビニルピロリドンとポリ-DL-アラニンが比較的効果が大きく最適濃度は前者が5%で後者が0.5%であった。融合剤としては、水溶性高分子の共存下で、比較的オキシエチレン基の長いM-23GやM-50Gのガラス化性モノマーに融合活性があることを見出した。それはPEG2000と同程度の融合活性を有していることも分った。
嘉悦 勲
Radiation Physics and Chemistry, 18(1-2), p.343 - 356, 1981/00
放射線とライフサイエンスとは、これまで育種・殺菌不妊化・放射線療法などを通じてつながってきた。一方高分子化学と放射線化学とは専ら工業材料の開発を通じて結びついてきた。近年高分子化学と医・薬・農学分野とは、医用高分子や固定化酵素を通じて深くかかわり、境界領域を形成するようになった。ここに放射線化学が高分子を介してライフサイエンスの分野に通じる新しいパスが生じた。ライフサイエンス用高分子材料の開発に対し、放射線という手段は貴重な多くの利点を有している。生物活性高分子複合材料-生物活性成分の高分子による低温加工という新分野で我々のグループはそのことを数多くの実例で実証してきた。この講演では、この新分野を開拓してきた我々の基本的な方法論とその医・薬・農各分野における具体的応用例・実践例を紹介し、この分野の夢多い未来を展望したい。
嘉悦 勲; 吉田 勝; 熊倉 稔; 山田 明夫*; 桜井 靖久*
Biomaterials, 1(1), p.17 - 22, 1980/00
被引用回数:16 パーセンタイル:69.27(Engineering, Biomedical)マイトマイシンC,アドリアマイシン,FT-207のような多成分制癌剤を重合物の存在下ガラス化性モノマーの放射線重合によって単一マトリックス中に包括した。各々の制癌剤の溶出挙動はマトリックス中に含まれる三つの制癌剤の組成,含有量によってコントロールできる。そして各制癌剤の溶出速度は吸着剤の添加によって抑制され、pore-making剤の添加によって加速された。一方、MMC ウロキナーゼのように著るしく異なった分子量を有する薬物の溶出についても検討した。この場合二重包括法を用いることにより、両者の薬物の溶出をコントロールできることが判明した。また、マトリックスの構造は電子顕微鏡を用いて検討した。さらに、マトリックスの抗凝血性(thrombogenicity)についても調べた。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Macromol.Sci., 14(4), p.541 - 554, 1980/00
CH=C(CH)COO(CH)OH系のモノマーを用い、低温放射線重合法によって酵素を固定化した。このモノマーは低温でガラス状態を呈し、n6で疎水性,n4で親水性を有する。CH=C(CH)COO(CH)OH-水系の場合、5~45,50~75,80~100%モノマー系の重合物は、各々、やわらかいスポンジ状ブロック,硬いスポンジ状ブロック,硬く透明なガラス状ブロックを形成した。一方、CH=C(CH)COO(CH)OH-水系の場合、5~25,30~45,50~60,65~75,80~100%モノマー系の重合物は、各々、硬い微粒子(50~500m),硬い粒子(600~1000m),硬いライス状粒子(1~5mm),硬い石コウ状ブロック,硬く透明なガラス状ブロックを形成した。これらの重合物の表面および内部構造は光学顕微鏡写真によって観察した。そして、上述した重合物中に包括された酵素の固定化メカニズムについて検討を試みた。さらに、同じガラス化性モノマーのCH=CHCOO(CHCHO)OCCH=CH系についても固定化実験を行なった。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Macromol.Sci.,Part A, A14(4), p.555 - 569, 1980/00
2-ヒドロキシエチルメタクリレートと他の親水性モノマー(ヒドロキシエチルアクリレート,N-ビニル-2-ピロリドン,アクリルアミド)および疎水性モノマー(ヘキサンジオールモノメタクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,メチルメタクリレート)の低温放射線共重合を行ない、酵素を固定化した。固定化はマトリックスからの酵素の脱離が見掛け上抑制される50%モノマー濃度(水に対して)で行なった。この濃度におけるマトリックスの多孔質構造は顕微鏡によって観察した。酵素の脱離は疎水性モノマーとの共重合では殆ど起らなかったが、親水性モノマー系では著しい。しかし、えられた重合物の含水率が小さくなると、例えばヒドロキシエチルアクリレートを用いた時は脱離が起らない。それ故、固定化酵素の活性収率におよぼすマトリックスの含水率依存性,多孔質構造(特に空孔径,空孔数,空孔率など)依存性について詳細な検討を試みた。
嘉悦 勲; 熊倉 稔; 吉田 勝
Biotechnol.Bioeng., 21(5), p.847 - 861, 1979/00
ガラス化性モノマーの低温放射線結合による酵素の固定化について、ポリマーの多孔構造が酵素活性に大きな影響を与えることが判明している。ポリマーの多孔構造は、低温においてモノマーと溶媒(水など)がどのような相構造をとるかによって影響される。またモノマー・そのポリマーと溶媒の親和性によって大きな影響をうける。本報ではモノマーをHEMAとHEMAよりも親水性の大きいビニルピロリドンなどとのコモノマー系とし、モノマー組成が変り、系の親水性を増した時、ポリマーの多孔構造がどのように変化するかをしらべた。ポリマーの親水性の増加は多孔性のうち、孔数を減少させ孔径を増大させる傾向があり、活性にも大きな影響を与えることが判明した。親水性の増加は活性を増加させるが、その経時的低下をも増加させる傾向があり、酵素反応が多孔構造の中で行われる場合の外に、ポリマーのマトリックス中で行われる可能性をも考慮する必要があることが判明した。
嘉悦 勲; 熊倉 稔; 吉田 勝
Biotechnol.Bioeng., 21(5), p.863 - 873, 1979/00
前報でHEMAと親水性モノマーの共重合により、ポリマーの親水性を増加させることにより、ポリマーの多孔構造が著しく変化し、活性に顕著な影響があることを認めたが、本報ではHEMAと疎水性モノマーを共重合させ、ポリマーの疎水性を増大させると、ポリマーの多孔構造および酵素活性にどのような変化が起るかをしらべた。その結果疎水性の増大によって、活性は低下せずむしろ活性の経時的低下が抑制され、固定化効果は十分保持されることが判明した。 これは、低温では親水性モノマーと水の系でも相分離(水の結晶化)が起ってヘテロジニアスな重合固定化が起っており、また酵素反応はポリマー中の空孔部分で主として行われるので、ポリマーマトリックスの親水性にあまり関係がないことなどを示唆している。この結果疎水性モノマーでも十分固定化が可能であることが明らかになったが、ガラス化性モノマーであることは、低温でヘテロジニアスな重合を行う上でも、極めて重要であることが確認された。
嘉悦 勲
原子力工業, 25(2), p.37 - 42, 1979/00
放射線重合法による酵素その他の固定化技術について解説したものである。特に、従来の高分子技術による固定化法のうち、低温放射線重合による固定化法の特長を詳しく述べ、さらにそのうちで原研で研究開発を進めているガラス化性モノマーの過冷却状態での重合反応を利用した固定化法について、食品研などの開発した結晶状態での低温放射線重合による固定化法と比較しつつ、両者の差異特長が明らかとなるよう、モデル図、実験結果を用いて詳しく解説した。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Pharm.Sci., 68(5), p.628 - 631, 1979/00
被引用回数:20-78Cのような低温において、ガラス化性モノマーを放射線重合することにより微粒子状カプセルを合成した。このようなカプセルはポリメチルメタアクリレートなどのポリマーを系中に共有させることにより得られる。この場合、粒子状モノマー表面は低温で沈澱折出するポリマーによって見かけ上被覆されるため、モノマー同士の凝固がおこらないと考えられる。完全な球状カプセルはエタノールを冷却溶媒とした時に得られた。このカプセルから薬物の除放性はUSPXIXに準じ、37C,100rpmでおこなった。薬物の溶出速度はガラス化性モノマーの重合物の親水性が増加すると増加する傾向を示した。一方、このカプセルにポリエチレングリコール600を用いて多孔質構造を与えた場合、溶出速度は、さらにはやくなることが明らかとなった。
吉井 文男; 大久保 浩; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.389 - 400, 1978/01
ガラス化性モノマーが低温で重合性に富み重合時の容積収縮が少ない特徴を利用して、短時間で歪のない有機ガラス材料を作る新しいキャスティングプロセスの開発を行なっているが、本報ではキャスティングで作成する二種類の光学歪のうち、熱対流型歪と呼ばれる歪について、その制御条件の解析・確立を目的として、基礎的な知見を得ようとしたものである。 すなわち本報では、ヒドロキシエチルメタクリレート・グリシジルメタクリレートの放射線キャスティングで作成する熱対流型歪について、熱電対による追跡を手段として、温度分布ならびにその時間的変化をしらべ、重合条件、サンプルスケールおよび結果である歪の有無と対比させつつ、歪の生因を解明しようとしたものである。ガラス化性モノマーを用いる低温キャスティングで、従来の觸媒法キャスティングに比べ、はるかに歪が生成しにくいのは、低温であることと高粘性であることのため、重合熱に起因する対流が起りにくいためと推論された。
大久保 浩; 吉井 文男; 嘉悦 勲; 本多 滋和*
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.401 - 410, 1978/01
ガラス化性モノマーの低温放射線重合を利用した新しい有機ガラスのキャスティングプロセスの開発研究を進めているが、このキャスティング法の特徴は光学歪のないポリマーを短時間で製造できる点にある。キャスティングで生成する光学歪には熱対流型歪と残留応力歪の二種類のタイプがあり、その生因を解明することは歪の制御のため重要である。前報では熱測定を手段として熱対流型歪の生因について基礎的な知見を得たが、本報では残留応力型歪について、これに影響する種々の因子について検討する形で間接的に生因を推定することを試みた。すなわち残留応力型歪はプレポリマーを添加した系において優先的に生成するので、ヒドロキシエチルメタクリレート・グリシジルメタクリレートなどのプレポリマー存在下におけるキャスティングを検討し、系の粘度およびプレポリマーの濃度が歪生成に大きく影響を与えることを明らかにし、このタイプの歪生成には重合に伴う容積収縮が主因となっていることを推
大久保 浩; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.1 - 11, 1978/01
被引用回数:3硬質耐熱性有機ガラス材料の開発には、キャスティングプロセスの開発とならんですぐれた素材の開発も重要である。前二報ではヒドロキシエチルメタクリレートなどをモデル系としてキャスティングプロセスに検討を加えたが、本報ではこのキャスティング法を適用できる物性のすぐれた素材のモノマー組成の探索、その性質の評価、キャスティング法を適用した場合の注形重合性などについての検討結果をとりまとめた。すなわち、ガラス化性モノマーに耐衝撃性を与える方向でスクリーニングを行い、内部可塑化性のコモノマーを添加することによってガラス化性を保持しつつすぐれた耐衝撃性が得られることが判明した。内部可塑化性コモノマーとして、ブチルアクリレートを用いる系とヘキサンジオールモノアクリレートを用いる系とが最もすぐれていることが認められた。これらの系の耐衝撃性はアクリル板やCR-39樹脂よりすぐれており、また光学歪を生じることなく短時間でキャスティングできることが明らか
大久保 浩; 吉井 文男; 本多 滋和*; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.13 - 26, 1978/01
被引用回数:5多官能性モノマーの多くは安定なガラス化性モノマーであり、放射線によるキャスティングが適用可能と考えられる。また前報で内部可塑化性コモノマーを含んだ耐衝撃性のすぐれたモノマー系を見出し、放射線キャスティングが適用できることを示したが、内部可塑化された系の耐熱性を改良するためにも多官能性モノマーが有効であると予想された。本報では多官能性モノマー単独系ならびにこれを内部可塑化された系に添加した混合系について、ガラス化性、重合性、耐熱性、耐衝撃性ならびに低温における注形重合性を検討し、ある種の多官能性モノマーすなわち、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートなどが上記の項目について満足すべき性質を示すことを見出した。
林晃 一郎*; 嘉悦 勲
原子力工業, 24(9), p.71 - 77, 1978/00
放射線固相重合を結晶状態での重合と、準安定相である過冷却状態での重合反応に分けて、それぞれの特徴を述べ、応用的観点から前者についてはトリオキサンの固相重合によるポリオキシメチレンの製造を、後者についてはメタクリルエステル類の注形による有機ガラスの製造をそれぞれ例にとって、今日までの研究の進展と得られた成果の概要を解説した。結論として、これまでの研究結果から固相重合が放射線化学反応の特長をよく活かした分野の一つであり、多くのメリットをもっていることが明らかになったことを強調した。
嘉悦 勲
化学の領域, 31(10), p.87 - 91, 1977/10
最近活発に行われている酵素の固定化の研究開発の現状と問題点について総説し、特に放射線を利用した包括法について詳しく紹介してその特徴を相互に比較し、さらに筆者らが進めている新しい担体を用いた低温放射線重合について述べた。従来の固定化は、親水性の担体を用いていたが、筆者らの方法によれば疎水性の担体を用いることができ、表面積の著しく大きい因定化物が得られる。筆者らはこの方法によって、現在アミラーゼ・グルコアミラーゼ・グルコースイソメラーゼなど一連の植物体糖化系酵素の固定化を進めており、有用なプロセスへの応用を図りたいと考えている。